年度末に増える交通事故

1 交通誘導による事故

 年度末で工事が多かったり、急いでいる方が増えたりするなど、3月になると交通事故が増えてきます。

 工事現場付近では、大型車両などの作業車や作業員の出入りなどがあり、交通事故が増えやすくなります。

 そのため、交通誘導員が配置されていることもあります。

 ところが、交通誘導員には資格が必要であるとはいえ、道路交通法に基づく権限を有しいるわけではありません。

 交通誘導員の指示には、警察の指示のような道路交通法上の権限がないのです。

 交通誘導員の指示は、あくまでも法律上の強制力がないお願いですので、交通誘導員から指示を受けても運転手が指示に従うかどうかは、道路交通法と安全の面から運転手が判断しなければなりません。

 交通誘導員が指示したからといって、何も考えずに従って交通事故をおこしてしまったとしても、運転手は道路交通法に従った適切な判断していなければ、運転手の責任となります。

2 交通誘導員の過失

 交通誘導員が明らかに道路交通法に違反した指示をして、指示に従ったことが原因で運転手が交通事故を起こした場合には、交通誘導員に注意義務違反があれば過失として認定される可能性はあります。

 しかし、交通誘導員に過失があったとしても、交通誘導に従うと判断したのはあくまで運転手ですので、通常は運転手の過失のほうが大きくなります。

 あまり数は多くはないですが、裁判例をみてみると、仮に交通誘導員に過失が認められるとしても10%から30%程度です。実際に運転していた運転手の過失の方が大きくなるのです。

 交通誘導員の指示に従った方が安全かつスムーズに走行できることが通常ですが、指示を信じて注意を怠れば思わぬ事故で加害者となってしまう可能性もあります。

 交通誘導を受けた際には、特に注意が必要です。

3 交通事故にご注意ください

 工事現場などで交通誘導員の指示を受けた場合には、指示に従うかどうかを含めて慎重な判断が必要になります。

 工事現場付近では、いつも以上に安全運転を心がけてください。

 万が一交通事故に遭ってしまった場合は、お早めに弁護士にご相談ください。

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交通事故紛争処理センター

1 交通事故紛争処理センター

 先日は、広島の交通事故紛争処理センターに行ってきました。

 現在、私は、広島、名古屋、大阪の交通事故紛争処理センターで被害者の代理人としてあっ旋手続を行っています。最近は保険会社との話し合いで和解することが難しいことも多くなり、裁判所や交通事故紛争処理センターで手続きをすることも増えてきました。

 交通事故紛争処理センターは、裁判外紛争処理機関のひとつで、自動車事故の被害者と加害者又は加害者加入の保険会社や共済組合が、納得可能な解決策を見つけて示談するために中立の立場で仲裁を行う団体です。

 交通事故紛争処理センターには、東京本部、札幌支部、仙台支部、名古屋支部、大阪支部、広島支部、高松支部、福岡支部の本部・支部とさいたま相談室、静岡相談室、神奈川相談室の3つの相談室があります。申し立ては、申立人の住所地又は事故地におけるセンターの所在地に申立てます。

 交通事故紛争処理センターのあっ旋手続には基本的に出席することが求められているため、移動や手続き参加の時間がどうしてもかかります。

 主要な都市にしか支部等がないため、移動や拘束時間等を考えると、近くに支部等がない場合には、被害者本人が申し立てるのも大変です。

 交通事故紛争処理センターの手続きについても弁護士が代理人となることができます。

2 交通事故紛争処理センターはどのような場合に使用されるか

 自動車事故の際には、通常、まずは当事者同士や保険会社とで話し合いを行いますが、話し合いで解決できない場合で裁判が難しいような場合に、交通事故紛争処理センターは利用されます。利用のためのいくつかの条件や利用できない場合などもありますが、通常3回程度の比較的少ない回数のあっ旋手続で結論がでるようになっていますので、裁判をするよりも比較的早く妥当な解決ができることが特徴です。

 交通事故紛争処理センターでは、相談担当弁護士が、法律相談、和解あっ旋手続き、審査手続を行っており、法律知識がない被害者個人でも手続きができるように配慮がされています。

 個人の方が申し立てる場合には、法律相談からスタートすることになりますが、弁護士が代理人となって申立てるときには、和解あっ旋手続から開始します。

 通常、あっ旋手続は、申立人または申立代理人弁護士と保険会社担当者の双方が期日に出席して、順番に入れ替わりながら、交互に紛争処理センターの相談担当弁護士と話をして和解可能かを探っていきます。

 和解あっ旋によって双方が合意に至った場合には、相談担当弁護士の立会のもとで、示談書又は免責証書が作成されて、その後支払いが行われます。

3 あっ旋手続が不調の場合と審査・裁定

 相談担当弁護士があっ旋不調(和解できない)と判断したときは、あっ旋手続が不調となったことが申立人および相手方保険会社に通知され、あっ旋不調の通知を受けた日から14日以内に限り、双方が審査の申立を行うことができます。その場合は、センターでは3人の審査員から構成する審査会を開催し、審査・裁定を行っています。

 審査を申し立てた場合には、事前に相談担当弁護士が関係書類等とともに審査会に事案の争点や当事者の主張の説明をしており、通常は、開催日にはその内容について申立人側と保険会社の担当の双方が出席のうえで説明や主張を行います。この時点では交渉は行えず、審査会に出席できるのは当事者双方又は代理人弁護士及び審査会が認めた者だけです。

 申立人は、裁定の告知を受けた日から14日以内に裁定に同意又は不同意する旨をセンターに回答します。期間内に回答のない場合は不同意とみなし、不同意の場合には手続は終了します。

 申立人は裁定には拘束されませんが、保険会社や共済組合は審査会の裁定を尊重することになっていますので、申立人が裁定に同意した場合には、事実上和解が成立します。

 申立人が同意した場合は、裁定の内容のとおりの示談書又は免責証書が作成され、それに基づいて保険会社等が支払手続を行います。

 保険会社や共済組合に対して事実上の強制力があるため、事情によっては裁判をせずにこのような交通事故紛争処理センターの利用を検討することがあるのです。

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冬の交通事故

1 交通事故が多くなる時期

京都も冷え込むようになってきて段々と年末が近づいてきたことを実感しております。

年末が近づき寒さが厳しくなると、日が暮れるのも早くなりますし、道路の凍結やバッテリートラブル、飲酒運転など交通事故の原因となることが多くなってきます。

交通事故の原因は様々ですが、車を運転していると自分だけの注意では事故を避けきれないこともあり、他の人の事故に巻き込まれてしまうことがよくあります。

今年も様々な事故態様の交通事故相談がありました。

年末年始は特に事故が多発いたしますので、くれぐれもお気を付けください。

2 交通事故の対策

交通事故対策は季節によって大きく変わるものではありませんが、冬の交通事故対策については、特に早めにライトを点灯し、車間距離は余裕をもって十分にとり、走行速度はゆっくりと走行することがあげられます。

冬になると日没までの時間が早くなり、周囲は急に暗くなります。ライトの点灯は早めに行い、周囲を照らすとともに自分が走行している位置を周りに知らせてください。

また、積雪や道路の凍結によるスリップ事故の発生、走行中の車両が突然のバッテリーやエンジントラブルにより停止する可能性があります。前方車両との車間距離を十分にあけ、何かあっても停車できるようにゆっくりとした走行を心がけてください。

また、イルミネーションの点灯などがあったりしてよそ見をすることや運転に集中できないこと、忘年会や新年会のシーズンでの酔っ払いの飛び出し、飲酒運転車両の走行など、この季節の道路には危険がいっぱいです。

冬の車両の運転は、特に安全を心がけてすぐに停車できるように速度を落として慎重に運転してください。

3 交通事故にあった場合には

交通事故の対策を行って交通事故の加害者になることは防げても、交通事故の被害者になることは完全には防げないこともあります。

交通事故の被害者になってしまった場合には、すぐに弁護士にご相談ください。

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交通事故の裁判管轄

1 交通事故の民事裁判

交通事故で加害者を民事訴訟で訴える場合には、訴状を裁判所に提出します。

それでは、交通事故の相手を訴える場合には、どこのどのような裁判所に訴状を提出すればよいのでしょうか。

2 交通事故の事物管轄

まず、相手に請求する金額によって、簡易裁判所に訴えるのか、地方裁判所に訴えるのかが異なります。

原則として、訴額が140万円以下の場合には簡易裁判所に、訴額が140万円を超える場合には地方裁判所に訴えを提起します。もちろん簡易裁判所で審理が難しいような事情があれば、訴額が140万円以下でも地方裁判所で審理されることはありますが、基本的には訴額で分けられています。

請求金額が高い訴訟のほうがより複雑な可能性が高いですのでまずは金額で裁判所を分けています。

3 交通事故の土地管轄

交通事故で民事訴訟を提起する場合、通常は、加害者、運行供用者などの相手側の住所、居所の管轄裁判所、本人の住所また居所の管轄裁判所、または交通事故発生地を管轄する裁判所のいずれかの裁判所に訴状を提出します。

訴えを提起する際にどこで訴訟を提起するか選べますが、場合によっては相手の申し立てなどにより他の場所の裁判所が適切であると裁判所に判断されて移送されたりすることもあります。

また、民事訴訟法11条は,第1審に限り「合意により管轄裁判所を定めることができる」と定めていますので、当事者が合意すれば全く関係のない裁判所で裁判をされることもあります。

裁判所は全国にありますので、基本的には出廷がしやすい裁判所で訴訟を提起することが大切です。ご自身で訴訟を提起する場合はもちろんですが、代理人として弁護士に依頼すれば代わりに弁護士が裁判に出席することができますが、被害者本人も当事者尋問などで事故にあった本人が裁判所に出席しなければならないこともあります。

4 弁護士にご依頼ください

相手を裁判所に訴える場合には、この他にも様々なルールがあります。

また、裁判所は平日の決まった時間にしか対応しておらず、訴訟に出席するのも大変です。

交通事故の裁判を行う場合には、ご自身が不利にならないように必ず弁護士にご相談ください。

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高速道路での交通事故

1 高速道路の特殊性

 高速自動車国道や自動車専用道路という高速道路の交通方法については、法律においても一般道路とは異なる規制があります。例えば、高速道路においては、最低速度を維持する義務があったり、横断・転回・後退が禁止されていたり、本線車道通行車の本線車道進入車に対する優先などが定められています。

 高速道路は自動車のみの通行が予定されており、一般道路よりも高速度での走行が予定されているため、高速道路における自動車の安全かつ円滑な走行のための特例となっているのです。

 そこで、高速道路では一般道路とは異なる注意が必要となることがあります。

2 高速道路で交通事故が発生した場合の対応方法

 高速道路で交通事故にあった場合には、後続車と自分の安全を確保するために一般道路とは異なる対応を行う必要がある場合がでてきます。

 高速道路で交通事故にあった場合には、急ブレーキとならないようにハザードランプを点灯させながら路肩によりつつ徐々に減速して停車し、停車車両の後方に発煙筒や三角版を設置して車両の存在を知らせます。後続車も高速度で走行しているため急ブレーキになると追突などの危険が発生するためです。

 また、できるだけ路上を歩くことはさけながらガードレールの内側などの安全な場所に避難します。高速道路上の車は後続車に追突される可能性が高いため、車内に残るよりも停車車両の後方のガードレール内などに避難したほうが安全なのです。

 そして、安全を確保した状態で通報をすることが求められています。

3 高速道路上の交通事故の過失割合

 このように高速道路では一般道路とは異なる対応を求められています。

 そこで、高速道路上の交通事故の過失割合についても、一般道路とは異なる過失割合になります。

 例えば、近くに横断歩道や交差点のない一般道路を横断する歩行者と自動車の事故では基本割合は歩行者20%、自動車80%になります。ところが、高速道路を横断する歩行者と自動車の事故の過失割合では歩行者の過失の方が高く、基本割合は歩行者80%、自動車20%となります。

 高速道路上の交通事故は高速度車両との事故になるため被害は大きくなりがちですが、過失割合については一般道路とは異なっており、判断が難しくなりがちです。

 高速道路で事故にあわれた方は、お早めに弁護士にご相談ください。

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弁護士費用特約

1 弁護士費用特約

弁護士費用特約は、自動車保険などの任意保険を契約をする際に付けることができる特約です。

弁護士費用特約は、交通事故にあった際に相手に対して損害賠償請求を行うために発生する弁護士費用等の支払を自分の保険から受けられる特約ですので、弁護士費用を心配することなく事故の相手に対する対応の一切を弁護士に任せることができます。

弁護士に依頼すると、通常は、着手金、報酬金、実費など、費用がかかってしまいます。弁護士費用特約によって、弁護士費用が負担となって弁護士に依頼できないことがないように、支払いのカバーをしてもらえるのです。

2 弁護士費用特約を使用する場合

では、弁護士費用特約は、どのようなときに使用できるのでしょうか。

弁護士費用特約は、通常、事故の相手に対して何らかの請求をするときに使用できるものですが、過失や賠償金額での争いに使えるのは勿論、その時点では特に争いになっていなくても将来的に何らかの請求をする可能性があれば使用できます。例えば、将来的に賠償金を請求するのであれば、現在は何の問題もなく治療をしている場合でも、相手側との窓口として弁護士を使うときにも使用できるのです。相手や相手側の保険会社と直接話をしたくない場合などにも、早めに弁護士に依頼することができます。

弁護士に依頼すると多くの場合賠償金額が増えます。弁護士費用特約によって弁護士費用が自己負担にならないのであれば、安心して事故直後から弁護士に相手とのやり取りの一切をお任せください。

また、通常、弁護士費用特約はご家族や同乗者の交通事故でも使える制度になっていることが多いため、自分自身が弁護士費用特約に入っていなくてもご家族の保険や火災保険など他の保険の弁護士費用特約が使えないか探してみると弁護士費用特約が使えることがあります。ご自身の自動車保険に付帯していなくても、諦めずに他の保険を探してみてください。

3 弁護士費用特約を利用できない場合

弁護士費用特約は事故の相手に対する賠償請求のための保険ですので、自分の保険会社に対しては使用できません。過失が大きい場合などで自分の保険の人身傷害補償特約を使った場合に自分の保険会社が支払う保険金の金額に納得できなくても、弁護士費用特約を使うことはできません。

また、自然災害などの天変地異(地震・噴火・津波・台風)によって発生した損害、被害者自身やその身内(配偶者・親・子ども)、自動車所有者に対しての損害賠償など、保険の約款で除外されている場合や単独事故など相手がいない場合には使用できません。

4 弁護士へのご相談

弁護士費用特約に入っていれば、約款で決まっている弁護士費用については自己負担なく弁護士に依頼できます。

また、弁護士費用特約の上限を超えるような場合でも、上限までは弁護士費用特約で支払われますし、弁護士費用は弁護士の交渉で増額する金額で十分にカバーできます。

弁護士費用特約にご加入の方は、安心して弁護士法人心にご相談ください。

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野生動物と事故

1 京都も台風の影響で強い風が吹いて、色々な飛来物が道路上に落ちたり、上空を飛んだりしていました。台風の中やその前後の運転は強風に煽られてハンドル操作を誤ったりすることもあるため大変危険です。また、持ち主の分からない飛来物が原因で事故が発生した場合は、基本的には注意を怠った運転者の責任となります。

 自動車を運転する際には特にご注意ください。

 では、飛び出してきたりする野生動物との自動車事故の場合はどのように考えるのでしょうか。

 基本的には、野生動物との自動車事故も飛来物と同じように考えられています。

2 レジャーなどで山奥や田舎に行ったりした際に、野生動物と自動車の衝突事故が発生することがあります。また、飛び出した野生動物を避けようとして、人や自動車との交通事故が起きてしまうこともあります。

  人間以外の動物は、物と同じように扱われますので、野生動物と自分の自動車が衝突しただけの場合には、自動車が塀や電柱などの物にぶつかったのと同じように扱われ、物損事故になります。

  ただし、野生動物は持ち主がいない物として取り扱われますので行政罰や刑事罰の対象になりません。後に自動車保険を使うことを考えると、自動車を物にぶつけた場合と同じように物損事故として警察に届け出ておいたほうがよいでしょう。

3 飛び出してきた野生動物と自分の自動車が衝突しただけの場合には、自損事故として取り扱われます。損害の請求する相手がいませんので、自分の自動車保険などを使って自動車の修理やケガの対応をしなければなりません。ご自身の車両保険や人身傷害補償などの保険を使用して事故に対応することになります。

 これに対して、ペットなど飼い主かいる動物の場合には、飼い主にも動物の管理責任がある場合がありますので、場合によっては飼い主にも一定の過失や責任が認められる場合もあります。

 この点、飼い主がいない野生動物の場合に道路に入り込まないようにしなかった道路の管理者への責任追及をしようとする方もいます。しかし、道路に完全に動物などが入り込まないようにすることは財政的にも現実的ではなく、事実上不可能ですので、よほどの理由がないと道路の瑕疵とは認められない傾向にあります。

  野生動物を避けようとして他の自動車などと事故を起こしてしまった場合には、通常は避けようとして事故を発生させた運転者の責任になってしまうのです。

  野生動物などの飛び出しの可能性がある道路では、特に運転に気を付ける必要があります。

  

 

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交通事故の直後に被害者がやっておくべきこと

1 警察や救急への連絡

  交通事故が発生した場合には、自分がケガをしていないか、同乗者や事故の相手側もケガをしていないかを確認して、ケガをしている人がいれば必要に応じて救急車を手配してください。

  運転者や乗務員には道路交通法上の救護義務があり、けがをした人がいる場合に救護せずに立ち去ると救護義務違反となってしまいます。

  まずは、交通事故でケガをした人がいないか確認してください。

  また、交通事故が発生した場合には、すぐに警察に連絡をしてください。

  警察に事故の報告をしないと、交通事故にあったこと自体が証明できなくなってしまうこともあります。また、交通事故の報告をすると、加害者の連絡先や自賠責保険番号など、一定の情報を警察が捜査して記録してくれます。警察が介入することで、相手と連絡が取れなくなるリスクが低くなります。

2 周囲の安全確保と事故状況の保存

  交通事故の二次災害を防ぐために、必要があればハザードランプや三角表示板や発煙筒を利用するなどして、後続車両に事故の発生を知らせなければなりません。

  また、自走可能であれば、道路の安全確保のために安全な位置まで車両等を動かすこともあります。

  車を動かして事故現場の状況が変わってしまうことになりますので、可能であれば事故直後の現場状況を撮影場所や方向や大きさ変えて何枚も写真に撮影しておくとよいでしょう。位置関係や車両の状況は過失で争いになった場合に非常に重要な証拠になります。車両を動かした後でも、自分や相手の車の損傷状況を写真で保存しておくと役に立つことがあります。

 また、車両の破損状況やケガの写真が、被害者に加わった衝撃の強さの証拠となり、治療期間や後遺障害認定で役立つことがあります。

3 証拠の確保

 事故直後は自分の非を認めていた加害者も、思い込みや自己保身のために双方の認識する事故状況が違ったり、言い分が変わったりすることもあります。

 自動車にドライブレコーダーがある場合にはドライブレコーダーの記録を保存しておいてください。時間が経ったり車両を走行させることで記録が上書きされてしまったり、移動や修理時の衝撃等で画像が消えてしまったりすることがあります。

 せっかくの貴重な事故の証拠がなくならないように、可能であればすぐに別の記録媒体などに保存しておいたほうがよいでしょう。

 また、事故の目撃者などがいる場合には、目撃者などの連絡先を確保してください。事故を目撃したり救護してくれた方がいたとしても、名乗ったりはせずにその場から立ち去ってしまうことが大半です。後から探そうとしても、通常はなかなか見つかりませんので、目撃者などの氏名や連絡先等の情報を確認しておいてください。

4 加害者の情報の確保と保険会社への連絡

  事故の加害者の氏名、住所、電話番号、任意保険や自賠責保険の情報を確認してください。

  交通事故にあった場合には、車両の修理などで加害者や加害者が加入している任意保険会社に連絡を取りながら手配を行わなければいけません。

  また、落ち着いてケガの症状が現れた際に事故の相手やその保険会社に連絡が取れないと、保険会社の一括対応が遅れて、通院開始が遅れたり、いったん自分で治療費を立て替えたりすることになります。

  すぐに相手と連絡が取れるように、事故の相手の情報を確認してください。また、電話番号などの間違いがないように、一度、その場で電話をかけてみておくと安心です。自賠責保険証は自動車に積んているはずですのでその場で写真を撮っておくと安心です。

  もちろん、相手の情報がわからなくても、警察に連絡していれば交通事故証明書に事故の相手の情報は記載されていますが、取得までに時間がかかってしまいます。

5 交通事故にあったらお早めに弁護士にご相談ください

  交通事故の直後は、ケガの状態が一番酷いにもかかわらず、車の修理などの交渉も含めて対応が必要な時期になります。

  交通事故にあった後、時間が取れるようになったら、なるべく早く弁護士に相談をしておくとよいでしょう。

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交通事故の時効

1 交通事故で物が壊れた場合

  交通事故で物が壊れた場合には、その物的損害の損害賠償請求をすることができます。

  このような物的損害の損害賠償請求権は、不法行為による損害賠償請求権ですので、原則として損害と加害者を知ったときから3年で時効になります。交通事故の場合には、通常は、事故に遭った時に損害と加害者を知ることになりますので、交通事故発生の翌日から3年で時効になります。

  当て逃げなどで加害者が不明などであれば3年経っても消滅せずに加害者が見つかってから3年は時効になりませんが、不法行為時から20年が経過した時には時効により消滅します。

2 交通事故の人がケガをした場合

  交通事故で加害者からケガをさせられた場合には、加害者に対して損害賠償請求をすることになります。

  人身損害についての損害賠償請求権も、不法行為による損害賠償請求権ですが、原則として損害と加害者を知ったときから5年(令和2年4月1日の民法改正前に発生した事故の場合は3年)で時効になると定められています。

  また、ひき逃げなどで加害者が不明などであれば加害者が見つかってから5年は消滅しませんが、事故から20年が経過した時には時効により消滅します。

  交通事故の後遺障害については、ケガの時効とは別で、症状固定日の翌日より起算して5年(令和2年4月1日の民法改正前に発生した事故の場合は3年)で時効になります。

3 自賠責保険金(共済金)の時効

  自賠責保険に対する請求権は3年(平成22年3月31日以前に発生した事故については2年)で時効となり、自賠責保険の保険金を請求する権利が消滅します。

  現在は、交通事故にあった場合には、傷害部分については交通事故発生の翌日から、後遺障害については症状固定日から、死亡の場合は死亡した日の翌日から、それぞれ3年で時効になることになります。

  そこで、何らかの理由で自賠責保険に対する請求が遅れてしまう場合には、権利が時効消滅しないように時効更新の制度を使用する必要があります。時効の更新をするためには、自賠責保険会社に対し、時効更新(中断)申請書を提出することが必要です。

4 交通事故の民事損害賠償と時効

  交通事故で大けがをした際に、壊れたもののことまで対応できなくて、物的損害について時効になってしまうことがありますが、物損についてはケガとは別に早めに示談をしなければなりません。

  また、治療が長期にわたる場合には、時効にならないように時効を更新する必要があります。特に交通事故による後遺障害の時効は、症状固定日の翌日から5年で時効になりますので、症状固定日は厳格に判断して更新しておく必要があります。

  また、自賠責保険の時効は更新したので時効は大丈夫だと思っている方もいらっしゃいますが、自賠責保険に対する請求はあくまで自賠責保険への請求ですので、加害者に対する損害賠償請求権の時効は更新されません。

  自賠責保険に対する時効の更新とは別に、加害者に対する時効も更新しておかなければなりません。後遺障害の認定結果が納得できずに何度も異議申し立てをしていたり、相手保険会社の示談交渉を放置していたりして長期化してしまうと、いつの間にか加害者に対する請求が時効になって賠償請求ができなくなることもありますので、注意が必要です。

5 時効の更新

  自分の請求権が時効になりそうな場合には、時効の更新をして、時効の進行をリセットする必要があります。

  裁判上の請求をしたり、被害者に対する賠償義務があることを加害者自身に認めさせたり、当事者間で協議することに合意する書面や電磁記録を作ったりすることで、時効を更新することができます。

  しかし、被害者自身が時効の更新をすることは手間と時間がかかります。

 

6 治療が長期化する場合には弁護士にご依頼ください

  被害者の権利が時効になってしまうと、権利を行使することができなくなってしまいますので、賠償金を受け取ることができなくなります。交通事故の損害賠償請求件の時効管理には細心の注意が必要です。

  早めに弁護士に依頼しておけば、きちんと弁護士が時効にならないように対応いたします。

  交通事故で大きなケガをされた場合には、お早めに弁護士法人心にご相談のうえ、ご依頼されることを検討してみてください。

 

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交通事故の結果と過失割合

1 交通事故の結果と過失割合

交通事故により発生した結果と過失割合は、原則として無関係です。

交通事故の結果としてどれだけ大きなケガをしたとしても、過失割合は客観的な事故の状況等によって決まりますので、関係ありません。

例えば、歩行者が赤信号を無視して横断しているときに、青信号で直進してきた自動車と衝突した場合には、通常は歩行者が大きなケガをする一方で車が大きく破損することはないので、通常は、交通事故の結果としては歩行者の損害の方がが大きくなります。

しかし、歩行者が大きなケガをしたとしても、赤信号で横断している以上は、原則として歩行者の過失が大きくなり、歩行者であっても加害者になります。

もちろん、歩行者は交通弱者ですので、基本的には保護されて過失を減らす方向になっています。

しかし、歩行者だからと言って交通ルールを守らなくてもよいわけではありません。

事故の状況によっては過失割合が大きくなって加害者になることもあります。

ケガをした場合には被害感情は大きくなりますが、事故状況をきちんと記録に残して、過失割合については冷静に話し合わなければなりません。

2 交通事故の過失割合については弁護士に相談を

このように、交通事故の過失割合は、事故の結果とは別に判断されます。

一方、過失割合が大きくても、損害自体が大きければ相手に請求できる場合もあります。

交通事故の加害者であっても、重い後遺障害が残ったり、亡くなったりした場合に、損害全体の金額が大きくなると、ある程度過失を差し引いたとしても相手に請求できるものがあることもあります。

また、加害者であっても100%の過失割合でなければ、自賠責保険から賠償金を受け取れるばあいもあります。

また、自分の入っていた保険会社を利用することで、一定の賠償金を受け取れることもあります。

交通事故にあった場合には、お早めに弁護士に相談してみてください。

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