給与所得者の休業損害証明書作成

京都も梅雨に入ってから雨の日が多くなってきています。

雨の日は交通事故が起こりやすくなっておりますので、皆様お気を付けください。

さて、今回は休業損害証明書について、お話をします。

1 休業損害証明書はいつ誰が作成するのか

交通事故にあった会社員やアルバイトなどの給与所得者が、ケガなどが原因で仕事を休んだ場合には、休業損害証明書を作成して仕事を休んで収入が減額したことを証明する必要があります。

給与所得は生活にかかわっていますので、早急に請求する必要がある場合には、事故から給与の締め日までの分など、ある程度の区切りをつけて一定期間分を何回かに分けて休業損害証明書を作成して請求していくことがあります。

また、休業日数が少なく生活に影響が少ない場合などには、症状固定時に事故発生時点からの全ての期間の休業損害証明をまとめて休業損害証明書を作成して、示談交渉をする前に提出することもあります。

では、保険会社から、休業損害証明書の用紙や記載例を渡された場合には、どのようにすればよいのでしょうか。

休業損害証明書は、自分で作成するものではなく、勤務先の会社に作成をお願いするものです。

時々、被害者の方が記載例を見ながら作成しようとしている場合がありますが、ご自分で作成するものではありません。お仕事を休んだ会社に持参して作成をお願いするものです。

勤務先の会社が大きな会社ですと総務部や人事部が担当している場合が多いですが、中小企業の場合には社長自らが作成してくれる場合もあります。

会社の中で誰が休業損害証明書の作成を担当しているかは会社によって異なっていますが、ご自分で作ろうとはせずに勤め先に用紙をもっていって、担当の方に作成をお願いしてください。

派遣社員の方は、派遣先ではなく、派遣元の派遣会社に作成をお願いすることになります。

2 休業損害証明書の訂正

休業損害証明書には、会社の印鑑を押したり、担当者の名前や連絡先を書く欄もあります。

担当者が慣れていなくて、間違いなどがある場合には、直接保険会社から担当者に連絡がいき、担当者が訂正をすることもあります。また、修正をお願いするように被害者に返送されてくる場合もあります。

保険会社から返送された書類の訂正を担当者にお願いしづらかったり、訂正に時間がかかるのを嫌がって自分で直そうとする方がいらっしゃいますが、絶対に自分で勝手に休業損害証明書に書き込んだりしないでください。

些細な誤記でも、勝手に自分で修正しようとはせずに、必ず担当者に訂正をお願いしてください。

権限のない方が勝手に内容を変えてしまうと、休業損害証明書の内容が全く信用されなくなったり、私文書偽造になったり、場合によっては虚偽の書類による休業損害の請求として詐欺になったりします。

休業損害証明書は、事故とはかかわりのない第三者である会社が、仕事を休んだことや給料の金額等を証明することが大きな意味をもっていますので、休業損害証明書の作成については勤務先に任せてください。

3 休業損害証明書に添付する書類や記載内容

休業損害証明書には、事故前年度の源泉徴収票を貼付する部分があります。

事故前年度に勤務先に在籍していないような場合には、源泉徴収票の代わりに事故前3か月の賃金台帳の写しを提出する場合もあります。

休業損害を請求する場合にはこれらの書類を揃えて、休業損害証明書と一緒に提出する必要があります。

また、休業損害証明書には、有給や欠勤、遅刻等の日数を記入する場所があります。

3 不明な点は弁護士にご相談ください

通常の有給休暇は、事故が原因で有給休暇を取得しなければ他のことに使用したり、買い取りをしてもらえる等、経済的な価値のあるものですので、事故が原因で収入が減少していなくても有給休暇を使用したことにより休業損害が発生したといえ、賠償を受けることができます。

保険会社は、事故が原因で会社を休んだことを知っていれば必要な書類を渡してくれますが、あまり詳しく説明してくれません。

また、有給休暇分の休業損害を請求することを知らなかったり、休んだかどうかを確認していない保険会社の担当者が書類を渡さずに被害者が休業損害の請求をしないまま示談をしてしまうこともあります。

一旦相手の保険会社と示談をしてしまうと、あとから追加で休業損害を請求することができなくなってしまいます。

交通事故の被害者の方で事故が原因でお仕事を休まれたりした方は、請求すべきものを請求てきているかや支払い金額が正しいかどうかを、弁護士に相談して確認してみてください。

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人身事故届出をしないことのリスク

1 交通事故証明書

  交通事故が発生して警察に届出た場合には、通常、交通事故証明書が作成されます。
  交通事故証明書は、交通事故の事実を証明する書類で、自動車安全運転センターに発行を申請すると交付されます。
  警察から提供された資料をもとに内容が作成されますので、警察に届出をしないと交通事故証明書は発行されません。
  また、被害者が、警察に診断書等を提出して人身事故の届出をしていなければ、「人身事故」と記載されず、「物件事故」と記載された書類になってしまいます。

2 人身事故証明書入手不能理由書
  それでは、人身事故にあった場合で、何らかの理由で警察へ人身事故の届出をせずに物件事故のままになっていた場合には、保険会社に対してケガに関する損害賠償を請求できないのでしょうか。
  警察に対して人身事故として届け出ていなかったとしても、事故の相手や目撃者等が事故でケガをしたことを認めていれば、人身事故証明書入手不能理由書を作成することにより、ケガについての損害賠償を受けることができることが多いです。
  人身事故証明書入手不能理由書は、交通事故に遭った際に人身事故扱いの交通事故証明書が入手できなかった理由を記載し、実際は人身事故があったことを示す書類のことです。
  加害者は、物件事故のままにすることで行政処分や刑事処分を受けずに済みますので、加害者にとってはメリットが大きいことになります。
  しかし、物件事故のままにすることは、ケガをした被害者にとってはリスクがあります。

3 人身届出をしないことのリスク
  人身事故証明書入手不能理由書では、多少記載が異なる場合がありますが、人身事故にしなかった理由を以下のような内容の5つの項目の中から選んで記載することになります。
 ・受傷が軽微で、検査通院のみ(予定を含む)であったため
 ・受傷が軽微で、短期間で治療を終了した(もしくは終了予定の)ため
 ・公道以外の場所(駐車場、私有地など)で発生した事故のため
 ・事故当事者間の事情(理由を具体的に記載してください。)
 ・その他(理由を具体的に記載してください。)
  このように、基本的にはケガをすれば人身事故届出をすることが通常と考えられていますので、人身事故届出をしないということはケガが軽微な場合や少なくとも事故当初は軽いケガだと思っていた場合であることが予想されることになります。
  そこで、人身事故届出をしない場合には、ケガが軽微であるとして保険会社に早めに治療費の負担を打ち切られたり、後遺傷害が認定されにくい方向に働くことがあるのです。
  このように、交通事故で人身事故届出をせずに物件事故のままにすることを検討する場合には、慎重に判断する必要があります。

4 人身事故届出の必要
  交通事故でケガをされた方は、原則としてはきちんと人身事故として警察届出て手続きをするべきです。
  何らかの理由でやむを得ず物件事故のままにして人身事故証明書入手不能理由書を使う場合には、本当に軽微なケガで後遺障害や長期の治療は必要がないと確信できる場合にすることが大切です。
  ただ、事故直後は軽傷と思っていても、むちうちのようにしばらくして症状がでてきたりするものもあります。
  京都で交通事故にあわれて何か迷っていることがあるかたは弁護士に相談してください。
  弁護士に相談することで、自分の行動に伴うリスクを把握してからどうするべきかを検討してください。

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依頼者の本人確認

1 本人確認の必要性

今年もFATF(ファトフ)の年次報告書の提出期間が開始いたしました。
弁護士が依頼を受けることになると、依頼者の代理人として交渉をしたり、依頼者の代わりにお金を受け取って依頼者に返したりするなど、本人に代わってお金のやり取りをすることができます。
弁護士の仕事では大きな金額のお金を扱うこともあります。
お金のやり取りの際に弁護士の口座を間に挟むなどすることで犯罪収益のマネー・ロンダリングに利用されたりすると、弁護士全体が信用を失ってしまいます。
そこで、依頼者の本人特定事項の確認および記録保存等については、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、日弁連の規程および規則が定められました。
弁護士は、現在、依頼者の本人確認をしたうえで、毎年4月から6月末までに毎年きちんと本人確認をしたのかを年次報告として弁護士会に報告します。
また、通常は、代理人として連絡してきたのが資格を持った弁護士であれば、代理権があると弁護士を信用して相手は対応しますので、依頼したのが本人になりすました別の人であるというようなことは許されません。
弁護士は、原則として、依頼を受ける前にきちんと依頼者の本人確認をする必要があるのです。

2 本人確認の方法

個人の方で依頼を考えている方の場合は、実際に弁護士と会って運転免許証やパスポート、顔写真入りのマイナンバーカードなどの顔写真入りの身分証明書の原本を見せていただいて、住所やお名前、生年月日等を確認すればご本人であることが分かります。
実際に依頼者本人と会って顔写真入りの身分証明書の原本等を確認し、コピーを撮らせていただくのが最も基本的な本人確認の方法になります。

顔写真入りの身分証明書をお持ちでない場合には、別の方法をとることになります。
健康保険証、年金手帳などの顔写真のない身分証明書の場合は、2種類の身分証明書の原本をお持ちいただき、住所やお名前、生年月日等を確認すればご本人と確認できます。
これらの身分証明書は、ご本人以外は取得できず、他人に原本を預けることも通常は考えられない書類です。
また、直接会うことができないなど場合には、対面の場合に必要となる身分証明書等のコピーをいただき、その身分証明書上の住所に転送不要の書留郵便で契約書等を送って受け取って契約書等を返送していただければ、ご本人からの依頼であると分かります。
依頼される内容等によっては、もっと厳格な本人確認をしなければならないとされていることもあります。

3 本人確認へのご協力をお願いいたします
依頼者本人にとっては、身分証明書を要求されるような事情がご自身にはないとお分かりですので、身分証明書を要求されて面倒に思われたりご不便をおかけするかもしれません。
しかし、本人確認は重要な制度ですので、ご依頼等の前には本人確認にご協力をお願いいたします。

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弁護士法人心京都法律事務所の開設

1 弁護士法人心京都法律事務所の開設
令和3年2月1日に弁護士法人心京都法律事務所がオープンしてからあっという間に1か月以上が過ぎてしまいました。
私個人としては新たな京都での生活を楽しんでおりますが、事務所業務としては想像以上にやることがいっぱいです。
事務所には常駐している弁護士は1人ですが、徐々に事務員を増やしつつ、事務所内を充実させていく予定です。
京都駅近くに開設いたしました弁護士法人心京都法律事務所を是非よろしくお願いいたします。
京都での弁護士業務にも少しずつ慣れてきましたが、弁護士会が変わると微妙にルールが異なることもあるため、まだまだ戸惑うことも多くあります。
弁護士は、各地域の弁護士会に所属しないと、業務を行うことができません。
京都弁護士会の会員としてしっかりと弁護士業務に取り組んでいきたいと思います。


2 今後も順次開設予定です 
弁護士法人心京都法律事務所は、弁護士法人心では初めて近畿地方にオープンした事務所です。
今後も少しずつ全国に弁護士法人心の事務所を新しく開設して、皆様が弁護士法人心に来所しやすい環境にしていく予定です。
駅に近く、皆様が相談しやすいような場所に、今後も事務所を増やしてまいります。
皆様が何か困ったことがございましたら、ぜひお早めにお近くの弁護士法人心に相談してください。

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交通事故と自動車保険

今回は、交通事故の依頼者によく質問される保険の適用時点について、お話しします。

1 交通事故と保険契約

交通事故の被害者の方に適用されるのは,交通事故が発生した時点で効力が生じている保険です。
交通事故にあった後に新しい保険に入っても,遡って保険が適用されることは通常ありません。
弁護士費用特約を使用する場合にも、交通事故当時に効力が発生していた保険に弁護士費用特約が付帯しているかどうかを探す必要があります。
交通事故が起こってから自動車保険等に入ったり、特約をつけたりしても間に合わないのです。
今では弁護士費用特約に入っていたとしても、事故当時に入っていなければ弁護士費用特約は使えません。
自動車を運転される方は、きちんと検討して適切な保険に入りましょう。

2 交通事故後の保険会社の変更
交通事故にあった際に適用される保険は事故当時に入っていた保険ですので、事故後に別の保険会社の保険に変更しても、使用中の保険に影響がないことが通常です。
弁護士費用特約を使用して弁護士に依頼している途中で、自動車保険の更新の際に保険会社を変えたいとおっしゃる方もいます。
別の保険会社と新しく契約しても、事故当時に加入していた保険会社がそのまま弁護士費用を負担します。
事故後に保険会社を変更したり、保険をやめてしまったとしても問題ありません。
交通事故時の対応次第で保険会社を変更したり、保険内容を見直したりしてもよいのです。
万一再び事故にあった際に後悔しないように、更新の際にはきちんと保険を選んでください。

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今年も1年ありがとうございました。

1 1年を振り返って
今年も1年が終わろうとしています。
名古屋も厳しい寒さが続いておりますが、皆様はお風邪など引いてはいないでしょうか。
今年は、新型コロナウイルス等で大変な1年になってしまいました。
年末に向けても新型コロナウイルス患者の増加で気が抜けない状況が続いています。
現在交通事故で通院されている方も、また不運にも年末年始に交通事故にあってしまうかたもいらっしゃるかと思います。
新型コロナウイルス患者の増加により、非常に通院しづらい状況は続いていますが、それでもやはり交通事故にあった際には通院が必要不可欠です。

2 通院継続の必要性
病院に行きづらい事情は保険会社も把握しています。
通院しないことについて説明すればある程度の配慮があった場合もありました。
しかし、それでもはり痛みがあれば通院するものと考えているため、通院の日数が少なければ治療費の支払いを打ち切ってきます。
病院への通院がしづらい場合には、病院を選んで転院をしたり、通院の頻度やタイミング、接骨院への通院を併用できないか等を医師に相談してみてください。
治療をしなければ症状は改善しません。
病院に行かなければ、我慢できる程度の軽い痛みしかない場合と区別できずに、治療は必要ないと思われてしまいます。
色々と工夫をして通院しやすい状況を作り出し、きちんと医師の指示に従って通院をしてください。

3 今年の最後に
今年も皆様には1年お世話になりました。
また、ブログを読んでいただきましてありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは、よいお年をお迎えください。

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休業損害として認められるもの、認められないもの

名古屋も寒さが段々と厳しくなってきました。
新型コロナウイルス感染も増加してきておりますので、皆様お身体ご自愛下さい。
今日は休業損害について注意しておいた方がよいことを説明いたします。


1 休業損害について気を付けること
事故によるケガやその治療のために休業する必要が生じて休業し、現実の収入減や有休休暇の使用があった場合には、休業が損害として認められます。
もし、事故にあわなかったとしても収入が得られなかったのであれば、そもそも損害がありませんし、休業の必要がなければ損害が発生しても賠償されません。
入院する必要があって入院していたり、医師の判断で就労不能と判断されて休業が指示されれば、休業の必要があることが分かりやすく、争いが起きにくくなります。
医師に休業の必要性について相談する場合には、仕事の内容を含めてきちんと休業の必要があるかを相談してください。
休業に関して医師に診断書等を書いてもらう場合には、主治医に仕事の内容を十分に理解してもらった上で、医学的見地から休業が必要な理由を丁寧に記載してもらってください。
また、症状が悪化してやむ得ず休業する方もいらっしゃいますが、そのような場合にはご自宅で安静にするだけでなく、身体のためにも病院にいってきちんと診察を受けてください。
通院のない日に休業しても、ケガが理由なのか他の私的な事情で休業したのかが分からず、休業損害として認められないことがあります。
また、会社を休まなくても通院できるのにあえて遅刻や早退をして休業損害を請求しても、休業の必要がないとして損害として認められません。
事故直後には休まなかったのに、理由もないのに事故から時間がたってから休業した場合にも、事故との因果関係がないものとして扱われることがあります。
実際に休業して現実に収入が減少してから休業損害を争われると、生活に支障が生じる場合もあります。
安易に判断せずに、きちんと医師や弁護士に相談しておいたほうが安心です。

2休業損害として認められないもの
会社がお休みの日やお仕事が終わってから通院しても、給料の減額がないので損害がないことから、休業損害は認められません。
通院のために残業ができずに収入が減ることはありますが、残業は常にあるものではなく、残業の有無や残業時間が証明できないため、現実的には請求が困難です。
また、ケガによる通院等の際に有休休暇ではなく、代休を使う方がいらっしゃいますが、一般的には代休を使用した場合には休業損害は請求できません。
代休を使用した場合には、会社がお休みの日に病院に行ったことになり、損害が発生しないからです。
また、有給休暇にも色々な休暇がありますが、就業規則の定め方によっては休業損害として認定できないものがあります。
自由な時期に取得できる有給休暇は、労働者の権利であり、経済的価値があるものです。
本来であれば別の目的で使用することも可能でしたし、有給休暇が買い取りをされることもあります。
自由に使用できる有給休暇は、交通事故で使用したことで経済的な価値が失われてしまったので、休業損害として認められるのです。
ところが、私傷病休暇や夏季休暇など、使用時期や使用理由など使途を限定している休暇を使用した場合には、通常は休業損害は認められません。
私傷病休暇などは、ケガや病気などの定められた理由が発生しなければそのまま消滅するものですし、買い取りもありません。
このような有給の休暇を事故によって使用しても、被害者に経済的な損害が発生しないので休業損害とは認められません。

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交通事故で被害者が弁護士に相談や依頼をする理由とタイミング

1 被害者が弁護士に接触する理由やタイミング
交通事故の被害者の方が,弁護士への相談を迷って相談しないまま相手保険会社と示談してしまうことがあります。
では,弁護士に相談や依頼をされた方は,どのような理由やタイミングで相談,依頼をされるのでしょうか。
2 交通事故直後のご相談,ご依頼
交通事故にあった被害者の方には,事故にあった直後に,交通事故の知識や対応の仕方を知りたくてご相談をされる方がいらっしゃいます。
今後の流れや今後やるべきこと,やってはいけないことなどの注意点を知っておくためにご相談をされたり,過失割合が気になって相談されます。
この段階で少なくとも一度は相談をして,必要な知識を身に着けておくことが一番安全です。
また,事故直後に保険会社や加害者からの心ない言葉や対応を受けたことでご相談を受けることもあります。
保険会社の担当者と話すこと自体が強いストレスになるような被害者は,この時点で依頼をされることもあります。
弁護士に依頼すると窓口が弁護士に一本化されて,相手側は弁護士を通してしか被害者に連絡を取れなくなりますし,被害者も弁護士を通してしか相手側と接触できなくなります。
対応自体が強いストレスになる方は,弁護士に相談してすぐに依頼をされる方もいます。

3 治療費の打ち切りや症状固定
交通事故で治療を続けていると,相手保険会社からそろそろ治療を終了するよう言われたり,症状固定と言われるたりしたことがあります。
被害者の方は,治療を続けたかったり,症状固定後にどうすればいいかわからなかったりして,弁護士に相談をします。
主治医がまだ治療が必要と言っているにもかかわらず相手保険会社から治療費を払わないと言われることもありますし,主治医も症状固定と考えていて後遺障害の申請に進むべき場合もあります。
状況によって,弁護士から治療費の一括対応や後遺障害申請の仕組み説明や相手保険会社等に対する対応方法のアドバイスをします。
治療費を立て替えること自体は相手保険会社の義務ではないため,治療費の支払いを強制することができませんし,症状固定後の治療費を支払う義務は相手保険会社にはありません。
しかし,被害者が,時間の都合で相手保険会社と直接連絡が取れていなかったり,性格的に強く言えない場合などに,代わりに相手保険会社に理由を聞いたり,自分の言いたいことを主張して欲しくて,弁護士に依頼される場合もあります。
また,後遺障害認定の可能性が上がるように後遺障害申請を弁護士に依頼される場合もあります。

4 相手保険会社からの示談提案
被害者が,相手保険会社から示談金額の提案を受け,適正な金額が分からなかったり,交渉しても増額しないので弁護士に相談することもあります。
弁護士に相談すれば,適正な金額かどうか,弁護士に依頼するメリットがあるか等をご説明いたします。
メリット等を確認のうえでご依頼いただくか決めることができますので,相手保険会社から示談金の提示があった場合には,すぐに返事をせずに弁護士にご相談ください。

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治療費と過剰診療

1 治療の必要性,相当性
 交通事故にあった被害者の方の多くは,相手の保険会社から治療費の支払いを受けます。
 治療費として請求された実費が,すべて治療費として認められるとは限りません。
 治療費として認められるのは,必要かつ相当な実費に限られます。
 医師の指示に従って通院していれば,通常,治療の必要性や相当性が問題となることはありません。
 しかし,通えば通うほど慰謝料が増えると勘違いするなどして,一日に何度も通院した場合や無理に通院回数を増やした場合など,通院自体が過剰診療となる場合があります。

2 過剰診療と判断された場合
 診療行為の医学的必要性ないし合理性がない過剰診療の費用は,治療費として認められません。
 たとえば,ケガが軽微だったり,治療の終盤で徐々に治っているはずなのに,毎日通院をするような場合には,過剰診療が疑われます。
 過剰診療の場合には,交通事故の治療費とは言えないので,治療費が自己負担になったり,一旦保険会社が支払った治療費も後に慰謝料などのもらえる賠償金から差し引かれます。
 治療費と認められるためには,医学的な見地から,治療によって症状の改善効果があり、また治療内容や通院頻度が適正であることが必要です。
 早く治そうとして1日に何度も病院に行ってもそれにより症状が改善するわけではありません。
 同じ日に何度も病院に行ったり,同じ日に病院と接骨院に通ったり,必要以上の治療をしても症状はそれに比例して改善するわけではありませんし,通院自体が被害者の不利になるだけです。
 また,保険会社と争いになって裁判をする場合には,治療費を請求する被害者がそれを証明しないといけなくなりますが,医師の協力が必要であったりして簡単なものではありません。
 保険会社の側も,治療費が高額になって保険会社の負担が増えることを嫌がることが多いため,むしろ早期の打ち切りにつながることもあります。
 通院の頻度については医師ともきちんと相談し,過剰診療と疑われないように適切な通院をしてください。

3 早めの相談をお勧めする理由
 交通事故の相談で,自賠責保険の説明の一部分の記載を勘違いして,日額が決まっているので毎日通えば慰謝料が増えると勘違いしている方の相談を受けることがあります。
 自賠責保険は,治療費や休業損害を含めたケガに関するすべての損害について120万円を上限に定められた金額を支払うことができる保険です。
 治療費は自由診療の場合には健康保険を使用するよりも高くなりますし,健康保険を使っても通常は健保組合から被害者が窓口で払った残りの割合の治療費の請求がされますので,被害者が考えているより高額になることが多いです。
 一度交通事故にあうと,損害は自賠責保険の上限を超えることが大半で,上限を超えた損害は自賠責保険からは支払われません。
 自賠責保険で損害賠償金額が足りないからこそ,自動車に乗る方は任意保険に入る必要があるのです。
 自賠責保険の上限の120万円を超えた部分の慰謝料は,日額で決まるものではありませんので,通院日数や通院期間に比例して定額の慰謝料がもらえるものではありません。
 裁判基準の慰謝料も通院日数に比例するものではなく,通院期間が長くなると慰謝料は増えますが通院期間が長くなるにつれて増額の幅は緩やかになっていきます。
 最近はインターネットで簡単に情報が手に入りますが,必ずしも正確でなかったり,分かりにくくて解釈を間違ったりすることもあります。
 交通事故にあったら,なるべく早く専門家である弁護士にきちんと質問,相談をして,正しい知識を身に着けてください。

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主婦の休業損害

 会社員が交通事故で受傷して会社を休んだりしたことで給料が現実的に減少してしまった場合,休業にともなう収入の減少は,原則として休業損害として損害賠償を受けることができます。
 では,ケガをして家事ができなかった専業主婦などの家事従事者は,家事ができなきなかったことによる損害賠償をうけることができないのでしょうか。

1 家事従事者の休業損害の請求
 家事従事者とは,現に家族のために家事労働をしている方のことを言います。
 確かに,自分の家族のために家事をすること自体で家族からお金を払ってもらっている方はいません。
 しかし,家族は,家事従事者が家事をすることで長時間働いてお金を稼ぐことが可能になりますし,家事従事者も家事をしなければ働いて収入を得ることができます。
家族以外の者を雇うと一定の報酬を支払わなければなりませんし,家族関係があるために対価が支払われていないだけです。
 そこで,家事従事者が家事をできなかった期間については,休業損害を請求することができます。
2 家事従事者の休業損害の算定方法
  会社員などの給与所得者であれば収入の減少額は計算しやすいですが,家事従事者は実際には報酬をもらっていません。
  では,現金収入がない家事従事者の休業損害は,どのようにして算定されるのでしょうか。
 家事従事者の算定の基礎となる収入額は,女性労働者の平均賃金等を用います。平均賃金は,毎年厚生労働省が発表している統計である賃金センサスを基準としています。
 他の人が家事をしていたり,家事を分担している場合などには,認められなかったり割合に応じて減額されたりする場合もあります。
3 主婦の休業損害の請求の際
 相手保険会社は,主婦の休業損害について積極的に認定しない場合があります。
 保険会社から何も言われないままだった場合には,休業損害を0円で計算されていても,被害者が気づかずにそのまま示談してしまうことがあります。
 相手保険会社から示談金の提示があった場合には,他に何か請求できるものがないか,一度弁護士のチェックを受けてみてください。
 また,休業損害として認定されていても,非常に低額の認定の場合もあります。
 もちろん,ケガの部位や程度によって家事に生じる支障は様々ですので,金額を算定して保険会社と合意できるかは話し合いによります。
 裁判で決める場合には,本人の陳述書のほかに医師に対してどの程度家事に支障があったかの問い合わせ書類を作成して証拠とすることもあります。
 主婦の休業損害について請求される方は,ぜひ一度弁護士に相談して,増額の見込み等のチェックを受けてください。
 弁護士法人心では,無料で示談金のチェックをしておりますので,お気軽にお問い合わせください。。

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