交通事故の裁判管轄

1 交通事故の民事裁判

交通事故で加害者を民事訴訟で訴える場合には、訴状を裁判所に提出します。

それでは、交通事故の相手を訴える場合には、どこのどのような裁判所に訴状を提出すればよいのでしょうか。

2 交通事故の事物管轄

まず、相手に請求する金額によって、簡易裁判所に訴えるのか、地方裁判所に訴えるのかが異なります。

原則として、訴額が140万円以下の場合には簡易裁判所に、訴額が140万円を超える場合には地方裁判所に訴えを提起します。もちろん簡易裁判所で審理が難しいような事情があれば、訴額が140万円以下でも地方裁判所で審理されることはありますが、基本的には訴額で分けられています。

請求金額が高い訴訟のほうがより複雑な可能性が高いですのでまずは金額で裁判所を分けています。

3 交通事故の土地管轄

交通事故で民事訴訟を提起する場合、通常は、加害者、運行供用者などの相手側の住所、居所の管轄裁判所、本人の住所また居所の管轄裁判所、または交通事故発生地を管轄する裁判所のいずれかの裁判所に訴状を提出します。

訴えを提起する際にどこで訴訟を提起するか選べますが、場合によっては相手の申し立てなどにより他の場所の裁判所が適切であると裁判所に判断されて移送されたりすることもあります。

また、民事訴訟法11条は,第1審に限り「合意により管轄裁判所を定めることができる」と定めていますので、当事者が合意すれば全く関係のない裁判所で裁判をされることもあります。

裁判所は全国にありますので、基本的には出廷がしやすい裁判所で訴訟を提起することが大切です。ご自身で訴訟を提起する場合はもちろんですが、代理人として弁護士に依頼すれば代わりに弁護士が裁判に出席することができますが、被害者本人も当事者尋問などで事故にあった本人が裁判所に出席しなければならないこともあります。

4 弁護士にご依頼ください

相手を裁判所に訴える場合には、この他にも様々なルールがあります。

また、裁判所は平日の決まった時間にしか対応しておらず、訴訟に出席するのも大変です。

交通事故の裁判を行う場合には、ご自身が不利にならないように必ず弁護士にご相談ください。