交通事故の相談で事故の相手方の名前を聞く理由

1 相手等の名前を確認する必要
弁護士が相談を希望する方からご相談を受ける場合,必ず紛争の相手方等の名前を確認しなければいけません。
これは,弁護士自身と相談者の利害が対立したり,弁護士が依頼を受けている別の依頼者や顧問先との利害が対立したりなどする場合に,弁護士の職務の公正に対する信頼が損なわれるからです。
例えば,同じ事務所の中で,当該交通事故の加害者の刑事弁護をしている弁護士がいたり,加害者の勤め先が事務所の顧問先であったりした場合には,自分の話したことが相手に伝わってしまって相手が有利になるように情報が使われるのではないかと心配になってしまいます。仮に実際に情報が伝わらなくても,情報が伝わる可能性があるだけで弁護士に対する信頼が損なわれてしまうのです。
また,弁護士を信用してすべての事情を話していただかないと,適正な判断をすることはできません。相談する際に心配してすべての情報を話せないようでは,きちんとした法律相談はできません。
一方,相談者は断られたとしても,別の弁護士に相談することができますので,無理に利益相反となる弁護士に相談する必要はありません。
そこで,弁護士法等で,利益相反関係にある場合には,原則として依頼を受けることはできないと定められています。

2 確認のためのご協力
このように,弁護士は,ご相談を受ける前にきちんと相手方などの名前を確認して,相談や依頼を受けたことがある人ではないかを確認しなければなりません。
当事務所にご相談の際にも,お電話をいただいた方に相手方の氏名を確認させていただいております。
ご相談の前に必ず伺う必要がございますので,ご相談の際にはあらかじめご準備をいただくとスムースにお調べすることができます。
また,お調べした際にもし同姓同名の方が過去の相談者等にいらっしゃった場合には,相手の年齢や住所などできる限りの情報をいただいて調べることになります。情報をいただいても利益相反の可能性がある場合には,申し訳ございませんが相談自体をお断りさせていただいております。
色々な情報を伺うことになり,お手数をおかけすることにはなりますが,弁護士に相談する際には必ず必要となることです。
今後ともご協力をよろしくお願い致します。

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